実践!健康経営〜うつを出さない職場づくり〜12月号

ストレスコーピング

今回はストレスコーピングとストレスぜい弱性についての話です。ストレスコーピングはストレスを消化する力です。この力が弱い人を「ストレス脆弱性」と言います。

ストレスに強い人と弱い人ができるのはなぜでしょうか? ストレスに強い人はコーピングする力が強いということになります。

では、なぜ強いのか。これは仕事や自分自身に起こる問題に対処する考え方に大きな違いがあるとの研究結果が出ています。

問題に対処できるのは自分しかいないという強い思いがあるとします。順調にこなしている場合は、問題ありませんが、困難なことや壁に当たったときに違いが出ます。「こんなはずではない」と悩みが深くなり、その思いが頭から離れなくなります。こうなると脳内の緊張が続いている状態になります。この状態になると「黄色信号」です。

逆に、ストレスに強い人、コーピング力がある人は、まったく同じ状況でも「まずは何とかなる」と考えます。問題解決に当たり、人に聞いたり、一歩下がって考えたり、左右の側面から見る思考パターンに切り替えたりします。

簡単に言うと、もう一人の自分がいて、傍観者的立場からことに対処するわけです。

話は少し変わりますが、私は山手線で置き引きに遭遇し通勤使用のバッグを盗まれました。探しているときに友人から「人生死ぬ以外は、かすり傷」と言われました。そしてこの言葉で置き引きにあったストレスコーピングができました。

このようにストレスを伴う問題に遭遇したとき、考え方一つで、抱え込まないで済むことが多々あります。オプティミストで人生を生きると楽しみが増えます。考え方一つで楽しく生きられますので、来年また楽しくお会いしましょう。

(湘南デザインCEO/産業精神保健機構理事長・松岡康彦)