かながわ経済新聞3月号に掲載されました

かながわ経済新聞3月号に掲載されました。

経営者と共感力

今回のテーマは、経営者に不可欠な要素である「共感力」です。共感力とは、相手に対する理解、そして思いやりです。かつて心理学者のウォルターミッシェルは、社会性に関わる心の性質として、幼少期の自制心から育つと論じています。

共感力を持つためには「自身が感動する力のスキルアップ」をすることが重要です。そして、スキルアップをするためには、体験から得られる感情を身に付けることだと思います。読書で身に付けたり、小説や映画からでも吸収できたりします。こうした「疑似体験」でも、心に残れば共感力が育つのです。

以前、岩波ホールの岩波律子館長は「心には文化が必要」と言いました。職場や家庭での生活、文化活動を通して共感するスキルを身に付けてほしいと思います。そのことがコミュニケーション力を上げることになり、結果的に良い人間関係の構築につながるのです。

一方、コミュニケーション力を身に付けるための第一歩は「傾聴」です。しかし、単にうなずいて傾聴しているだけでは会話になりません。共感しながら会話をすることで、盛り上がり、楽しく愉快な場となります。経営者が持つべき資質として「渦を作れる力」があります。

共感力を高められれば「渦を作れる力」が育ちます。日々の素晴らしい体験を通じ、この共感力を高めていってください。

(湘南デザインCEO/相模原商工会議所工業部会副部会長)