かながわ経済新聞3月号に掲載されました

真実を知る力と情報と判断

経営はよく、ヒト・モノ・カネ・情報と言われます。この場合「情報」とは何を指すのでしょうか? 日々降り注ぐように、目と耳に一方的に入ってくるものだけが情報ではありません。情報を多角的に仕入れ、それらを取捨選択し、自分や家族、会社にとって有益なものにしたときこそが「真の情報」であると、私は考えます。

真の情報にするためには「取捨選択できる力」を養うことが重要です。そのためには、あらゆる角度での基礎情報を知らないと、自分の中で真の情報にすることができません。では、基礎情報とは何か、です。例えば、橋本駅の周辺は今後どうなるのか? と誰かに質問されたとします。報道で周知の通り、橋本駅には2027年にリニア中央新幹線が開通し、始発の品川駅からわずか7分で行けるようになることは基礎情報です。さらに、隣駅・品川駅の開発状況はどうなのか。そして国内の医療インバウンド、
観光資源、高速道路網、高速バスの利用状況、外国人の住む人数、スポーツ大会の需要…。これらの実態はどうなのか。そうした基礎情報も知る必要があります。

このように数々の基礎情報を取捨選択した上で複合的に判断しないと、自分の考えは絶対に持てません。それができずインターネット検索で得た知識のみで話していると、意見に深みがなく、単なる受け売りになってしまいます。

現在、新型コロナウイルスの感染が拡大しています。ただ、いたずらに恐れるのではなく、過去のインフルエンザウイルス感染事例や、人の抵抗力と免疫力、ウイルスの基礎情報を持っていれば、怖さも半減するというものです。自分がどう動いたら良いのかの判断もできます。

「真の情報」を得ることで、近未来予測が立てられるのです。日々基礎情報を蓄え、素晴らしい人生における場面、場面の判断をしていただけたら幸いです。

(湘南デザインCEO/相模原商工会議所工業部会副部会長)