海外駐在員のメンタルヘルスについて執筆した修士論文を掲載いたします

当機構代表の松岡康彦が「海外駐在員のメンタルヘルス ―ベトナムハノイの生活における心理的満足度の実態と改善への示唆―」のタイトルで執筆した修士論文を掲載いたします。

【要旨】

本研究は海外駐在員のメンタルヘルスにおいて駐在生活における心理的満足度の実態を調査する。対象はベトナムハノイにある日本企業の責任者および医療機関に勤務する日本人である。
本研究は、海外駐在員のメンタルヘルスマネジメントに対して、ハノイの日本人駐在員が直面しているベトナムでの生活の満足度の実態を明らかにしつつ、うつ病にならない職場づくりの改善方法の基礎資料を得ることを目的として、3つの調査を行った。
調査1では、大企業27社から聞き取り調査を実施し(1)メンタルヘルス不調者が出た場合に社員同士の対処では難しく、専門家の対応を望んでいること、(2)赴任前にハノイで働くことの適正を調べる必要があることを明らかにした。
調査2では、会社の辞令により駐在員として勤務している日本人を対象に面接を実施し、(1)文化・風習面での時間や約束の価値観の違いや大気汚染、騒音をストレスとして感じていること、(2)現地スタッフとの言葉の壁、コミュニケーション不足がストレスになっていること、(3)家族との会話や仕事へのやりがいが活力になっていることを明らかにした。
調査3では、ハノイ医療関係従事者を対象に質問紙による調査を実施し、(1)言葉の違いでのコミュニケーション不足をストレスとして感じていること、(2)娯楽の少ないことでストレスを感じていることを明らかにした。
3つの調査の結果を総合的に考察すると、(1)家族との会話や仕事へのやりがいが活力となってストレスコーピングができている場合はメンタルヘルス不調へ直結していないこと、(2)赴任辞令前に、現地へ30日程度の長期出張を行い、本人及び家族の現地への適正を調べる必要があること、(3)在外日本人のメンタルヘルスに関する法整備なども必要であることの重要性を明らかにした。

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