実践!健康経営〜うつを出さない職場づくり〜5月号

心を健康状態に保つ

皆さまこんにちは、今回は「心を健康な状態に保てるのは、どんな作用がうまく機能しているからか」についてお話します。1月号で「葛藤」について書きましたが、葛藤から欲求不満、さらに不安な気持ちになる心の変化を、良い状態に保つ行動を防衛機制といいます。この「防衛機制」は自分自身の行動に表れるので、性格と一体のものです。

精神分析の創始者、ジークムント・フロイトからアンナ・フロイトに引き継がれた理論です。例えば、高級RV車が欲しいが高くて買えないとします。この高級RV車は好きなタイプではないと思い込むことを「抑圧」と言います。我慢して1年後に買おうと考えるのが「抑制」です。抑圧より一歩心の状態は良い位置にあります。400万円のRVは無理な
ので、今回は200万円の中古車を買おうとするのが「置き換え」と言います。

他社のRV車をたくさん調べるだけで満足することを「知性化」。RV車より燃費がやはり大事だと軽自動車にするのが「合理化」。内心は欲しいけど本当は必要なかったと考えるのが「反動形成」です。買えないと家族の前で泣くのが「退行」です。高級RV車のレンタカーでいいと思うのが「逃避」です。このように高級RV車が買えないと判断したときから、新たなる心の対処として防衛機制が働く。この防衛機制がうまく働かない時に不適応状態、ストレスがかかった状態になるわけです。

昨年7月からストレスについてお話ししてまいりましたが皆さまの心の健康の参考になりましたら幸せです。また紙面でお会いしましょう。

(湘南デザインCEO/産業精神保健機構理事長・松岡康彦)