かながわ経済新聞5月号に掲載されました

かながわ経済新聞5月号に「松岡康彦の産業よもやま話」が掲載されました。

経営者の仕事とは

桜に続きツツジが綺麗な季節を迎えます。花は心を和ませます。さて、今回は経営者の仕事について話します。基本は「ヒト・モノ・カネ・情報」ですから、まず「人」の採用についてお話しします。

人の採用は難しいと言えます。42年間社長をやっていても、採用だけは的確な回答が出ていません。

ただ、私なりの見方ですが▽会話がしっかりできること▽具体的な経験を順序立て話せること▽仕事に熱く取り組んだ経験を聞くこと(学生の場合は生活体験の話でよいです)─などを見極めるのがよいと感じます。それでも完璧な採用というのはありません。採用してから育てるしかありません。

次に「モノ」です。工場、設備、物で重要なのは「タイミング」です。人が育ってなければ稼働できません。また、市場がまだ小さいと販売には苦労します。逆に大きくなった時は、量こそ出ますが、利益は少ないです。

「カネ」は銀行です。日頃から良好な関係を築くことが大切です。金利が高いか安いかだけで銀行を選んではだめです。親身に相談に乗ってくれるか。融資も補助金も使いたいと話した時も、一生懸命サポートしてもらえるかがポイントです。そして経営者が積極的に会社の中を見せて、説明することが肝要です。

最後に「情報」についてです。情報は1方向だけで見て判断すべきではありません。最低3方面から見ることを心掛けてください。同じ情報であっても三つの視点で分析する必要があります。そのためには「教養」が不可欠です。緻密な情報であっても理解できなければ何の意味もないからです。満開のツツジを観賞しながら一句詠んで教養を高めてください。

(湘南デザインCEO/相模原商工会議所工業部会副部会長/公認心理師)