相模原商工会会議所会報11月号に掲載されました

人の気持ちと行動パターン【後編】

皆さまこんにちは。今年も霜月となり、カレンダーは師走1 枚残すだけとなりました。少年老い易く学成り難し。一寸の光陰軽んずべからず――。まさに「光陰矢の如し」です。来年はこれはやろうと思っていても、1 年はあっという間です。私の場合、「思い立ったが吉日」と、即実行するのがストレスをためないよい方法であると心掛けています。
 
さて、前回10月号では人の行動の「外発的動機」と「内発的動機」について説明しました。今回は「動機づけの仕方」について話します。
 
まず動機づけの対局にある「やる気が出ない」「モチベーションを損なう」ことについて、次の三つの要因が考えられます。
▽ 目標が見えてない。やる気を出したくても、どこに向かっているかがわからなければ、やる気が出ない。
▽ 目標が高すぎる。挑戦する前から「こんなの無理だ」「絶対に達成できない」と諦めてしまう。
▽ 自己イメージが極端に低い。あまりに劣等感が大きい場合、やる気が最初から損なわれてしまっている。
 
そして、モチベーション低下でやる気をなくしてしまった人は行動が消極的になり、以下の①~⑦の症状となっています。
①周りを気にする「気配り型」
②仕事に集中できない「集中力分散型」
③地に着いていない理想話をする「理想追求型」
④思考が先行し行動しない「考え先行スロー型」
⑤夜行性で昼間の行動が鈍い「夜行型」
⑥家族に振り回される「家庭内向的トラブル型」
⑦自信過剰でプライドが邪魔する「自尊心強固型」
です。心当たりはありませんか?
◇      ◇
それでは、モチベーションを生むにはどうしたら良いでしょうか。10月号でも書きましたが、さらに詳しく話します。「外発的動機付け」は、給与昇給やボーナスなど金銭的な褒美、昇進などで会社からの与えられたもので、やる気を出す方法です。ただし、自身の「やる気」はコントロールできません。短期的には効果がありますが、物理的に限界があるという欠点があります。
 
それに対し、「内発的動機付け」は、自分自身で決めた強い意志により、やる気を自然に出す方法です。例えば、自分はこの職場で必要な人材であり、今の職場での経験は次に生かせると思うことで、心の中からやる気が出ることです。
 
以上のことを心理学では、スキナー教授がオペラント条件付けという概念で実証しています。行動を起こす力を増やしたり減らしたりすることは、「強化子」が左右しているのです。
 
例えば、子供がお母さんのお手伝いをして褒められると、うれしくなって同じ行動が増えます。つまり、行動(お手伝い)→よいことがある(褒められる)→その行動が増えるという流れです。ここでいう「強化子」は、褒められることを指しています。強化子プロセスをうまく使うことで、心身の健全な成長にもつながります。
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以上、心理学をベースにして9 、10月号、そして今月号で「人の気持ちと行動パターンについて」を書きました。心理学の理論をやさしく読者の皆さまに話したつもりです。うまく伝わりましたら幸いです。皆さまとまた会報でお会いできることを楽しみにしています。 (おわり)